広々として且つ深みがあり、山や海に囲まれる台東は多元な文化を持ち、各民族の伝統を保有し多様な風貌が発展を遂げてきました。百年以上の歴史を持つ部落の風味料理、5〜60年以上愛されてきたご当地グルメ・家庭料理、新たに移民してきた方達がもたらしてきた西洋料理や創造力溢れるお任せ料理などと、台東に住む人々たちが築き上げてきた『味』は愛おしいものです。
手作り・伝統の味
台東には様々な伝統グルメが潜み、三代以上も続いてきた「小吃」店が多く、シンプルな外見でありながらその秘伝の味は深みがあり、現地の人々の思い出の味であるだけでなく旅人をも魅了するものであります。

阿栄蘿蔔糕
シンプルな蘿蔔糕(大根もち)は、昔ながらの炊き方で蒸し上げられています。しっかりとした製造過程では、お米と大根の自然な旨味を逃さないように8時間以上もかけて作られています。このこだわりの工法が、とても台東の美味しいグルメの秘密なのです!美味しそうに焼き上げられた蘿蔔糕の香ばしい香りが食欲をそそります。醤油ペーストをかけていただけば、外はカリカリ、中はふわふわの食感、そして口いっぱいに広がるお米と大根の味に、お箸が止まらなくなります。添加物や調味料を加えないでも、阿栄蘿蔔糕ではシンプルで美味しい味に出会えます。(IGPhoto by @nttu_yumyum)

チョウドウフ
活気に溢れていながらも穏やかな雰囲気が漂う出店が立ち並ぶ伝統市場に、四十年あまりの歴史を持つ関山臭豆腐(チョウドウフ)はあります。出店は小さく、席は多くありませんが、いつも人でいっぱいです。いろいろな滷味(ルーウェイ)や切仔麵(チエザイミェン) におつまみ、臭豆腐、もちろん、このお店で一番有名な臭豆腐は、お客さんに一番の人気を誇っています。サクサクの外皮に大豆の濃厚な香りが凝縮され、一口食べれば、臭さと良い匂いが交錯して、なんとも言えない矛盾さの中に美味しさが口いっぱいに広がります。滷味の味付けもちょうど良く、シンプルに見える食べ物も、お店に押し寄せる人々の数が美味しさの証です。並んででも食べる価値がある台湾の小吃(シャオチー)です。(IGPhoto by @kenwei0870)

金花軒卑南包仔店
包子(パオズ)の餡、そして皮にこだわり、満腹感があるおやつ。長蛇の列が並ぶ金花軒卑南包仔店は、その行列が包子の美味しさの証です。筍丁肉包(たけのこ肉まん)、高麗菜包(キャベツ肉まん)、芋頭紅豆包(タロイモとあずき)、香鹹花捲などの包子があり、肉の餡にも小豆にもぴったりの皮は、塩気がきいていてとても良い香りがします。また、芋香饅頭(タロイモマントウ)、白饅頭(白マントウ)や黑糖葡萄乾饅頭(黒糖レーズンマントウ)も、食感にこだわって作られています。おやつ好きなら、食べてみる価値ありです!(IGPhoto by @yen_lonlon)

老東芳青草茶
60年も続く老東芳青草茶は、もともとは草薬の店で、原料の簡単でシンプルな製造方法にこだわり、原料の煮詰めから攪拌、そして試飲まで一歩一歩着実に行い、健康的で美味しい青草茶(ハーブティー)を台東人に提供し続けています。草薬の配合から洗浄に始まり、5〜6時間もかけて煮詰める製造工程では、気が遠くなるような作業が続きます。根気よく火の番をし続けて煮詰め、攪拌して試飲することで、草薬の香りを完全に閉じ込めることができ、暑さが続く夏にぴったりのハーブティーが出来上がるのです。(IGPhoto by @square_chen)

東粄香傳統米食坊
客家語の『粄』とは、台湾の『粿』(お米を蒸したもの)を言います。台湾・台東のお店には、どの店にもお店それぞれの人情味深い味があり、その味は、忘れられない思い出として残っています。この粄食の出店は、出店を始めてから早60年にもなり、もちもちとした弾力のある昔から変わらない食感が人気です。この味が、この店の店主に代々受け継がれ、今では3代目の店主がお店を切り盛りしています。客家莊のほとんどの女性は、粄食が作れます。味は、家それぞれで異なり、客家のおふくろの味とも言えます。この店では、縱谷米を使うことにこだわっています。『粄』に五穀の天然の香りを閉じ込めるために、縱谷米を3時間水にさらし、脱水、攪拌、製粄、蒸しと、一連の手順で『粄』を作り上げています。こうして滑らかな歯ざわりと弾力ある歯ごたえが楽しめる『粄』が出来上がるのです。お店の、美味しさへのこだわりが伝わってきます。

蕭家バーワン
蕭家肉圓は、手作りのさつまいも粉をお店独自のブレンドで作られているので、油で揚げた後も油っこくなく、餡の香りと皮の柔らかさを更に際立たせています。肉圓(バーワン)を一口食べれば、餡の香りが口いっぱいに広がり、ジューシーな豚ヒレ肉とシャキシャキの筍の食感が楽しめます。お店のたくさんあるソースと合わせて食べると、その美味しさは更に倍増します。肉圓(バーワン)を作る時に一番大事なのは、油の温度加減です。この温度をうまくコントロールすることで、伝統的な手作りの食材特有な食感が生まれるのです。そして、このこだわりこそが、この小さなお店に行列ができる理由なのです(IGphoto by @summerdzeng)。

阜宏燒餅
手作りへのこだわりは、お店の伝統的な味へのこだわりでもあります。この焼餅は、机から焼き上がりのボックスまで、全てオーナー自らの手で行われています。焼餅は、甜焼餅、胡椒餅、小焼餅、蔥花厚焼餅、そして蟹殼黃の全5種類あります。燒餅は、それぞれの揉捏法と打ち方式と異なる餡から作られています。餅皮には、それぞれ工夫が凝らされており、これも美味しさの秘密なのです。パリパリ、カリカリ、そして香り、柔からさの中にある硬さ、芳醇な焼餅が店いっぱいに広がっています。この店の焼餅の一番人気は、ネギと肉の餡がたっぷりと入った胡椒餅で、肉汁が外皮にたっぷりと吸い込まれており、一口噛めば、美味しさが口いっぱいに広がります。

Tofu Skin Store
苗栗から池上へと移り住み、勤労で倹約家な客家人が伝統的な手法で湯葉を売り続けてから、すでに50年もの月日が経ちました。ここでは、作りたての湯葉を味わえるだけでなく、製造過程を見ることもできます。出来立ての豆乳の甘い香りと熱気、そして、黄金色に輝くできたての湯葉など、どのステップにも奥深さがあります。また、大豆から研磨、おからと豆乳、そして湯葉が出来上がるまで、全てのステップに職人並みの意地が感じられます。
工場のゲート外のフードコーナーでは、豆包、豆皮、豆花や豆乳などのメニューが楽しめます。なかでも豆包は、皮がこんがりと黄金色に焼き上げられ、パリパリとふわふわな食感が一度に楽しめます。パクチーと醤油と合わせて食べても美味しいです。手の込んだ限定量産の湯葉は、とても評判がよく、すぐに売り切れになります。

林家臭豆腐
林家臭豆腐は可愛い一口サイズの臭豆腐であり、黄金色まで揚げられた衣はさくさくとして中はとてもジューシーな豆腐です。独自のソースもちょうどいい味をしていて、付け込まれた台湾キムチとバジルと一緒に食べていただけば、その香りは口の中で広がります。